2015年10月17日土曜日

モードとコルベール

<<La mode est pour la France ce que les mines d'or du Pérou sont pour l'Espagne>>
- Jean-Baptiste Colbert, ministre du roi Louis XIV -

「フランスにとってモードとは、スペインにとってのペルーの金山のようなもの。」
- ジャン・バティスト・コルベール -

フランスの手工芸に関する本や資料を読んでいると頻繁に名前を目にする人物、コルベール。
太陽王ルイ14世の財務総監だった人物です。
ルイ14世の時代といえば、フランスでファッションが花開いた時代。
Portrait of Jean-Baptiste Colbert 1666 Claude Lefèbvre
[public domain] via Wikimedia Commons
ジャン・バティスト・コルベールは、ルイ14世の絶対王政のもと重商主義を推進した人物として世界史に登場しますが、モードの発展に深く関わる人物でもあります。

ルイ13世〜ルイ14世の時代、フランスは神聖ローマ帝国の30年戦争に介入して財政は逼迫していました。
それを立て直すため、コルベールは輸出入の差額でフランスに富を集めようとしました。
つまり、輸出が輸入を上回れば、その分の富がフランスに蓄積されるということ。
そこで輸入品に高い関税を課し、国内の産業を保護し育成しました。

どんな産業を保護し育成したかというと、レース、ゴブラン織り、毛織り物、絹織物、ガラス、陶磁器、モザイク、石鹸など、今日フランスで伝統産業とされているもの。
これら手工業の特権マニュファクチュア(国王から特権を与えられて設立された製造工場)を設立し、外国人技術者を招聘して技術を向上させました。
製造基準を設けそれをクリアした製品には、いわゆるお墨付きを与えてフランスで作られた製品をブランド化したわけです。

コルベールの政策にとって、レースは重要であったようです。
当時貴族たちに大変人気があったヴェネツィアのレースはとても貴重な品で、コルベールは当時レースの中心地であったヴェネツィアやフランドルから職人を招聘し王立マニュファクチュアを設立。フランスでも高品質のレースが生産されるようになりました。
コルベールの肖像画もレースの襟がとても豪華ですね。
折しもヨーロッパの中心がスペインからフランスへと移った時代、フランスで製造された贅沢品はヨーロッパ中に輸出され、フランスに富をもたらしました。

コルベールの財政再建は成功を収め、ルイ14世のもとフランスは絶頂期を迎えましたが、その後、ナントの王令の廃止で多くのユグノー(プロテスタント・手工業者が多かった)が国外へと脱出し経済が衰退。
そして度重なる戦争と宮廷の浪費により国の財政は悪化の一途をたどりフランス革命へとつながるわけです。

しかしながら、この時代に確立されたフランス=モードのイメージは現代にまで続いています。
ゲランの創始者であるジャン・ジャック・ゲランによって創設され、フランスの名だたる80のブランドがメンバーとなり、フランスの「美しい暮らし」広めることを目的とした「コルベール委員会(Comité Colbert)」の名前もジャン・バティスト・コルベールに由来しています。

フランスの華々しいモードの歴史は、その後の多くの素晴らしい職人とデザイナーによって築かれたわけですが、17世紀、コルベールというキーパーソンがいなかったらフランスのモードがここまで発展することはなかったかもしれません。

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参考文献
佐々木真(2014)『フランスの歴史』河出書房出版.

参考ウェブサイト
"世界史の窓" <http://www.y-history.net/appendix/wh0904-087.html> 2014/10/15 Accessed.
"Le portail des ministères économiques et financiers<http://www.economie.gouv.fr/facileco/jean-baptiste-colbert> 2014/10/15 Accessed.
"The History of Lace レースの歴史" <http://fashionjp.net/archive/fashionmaterial/history-lace.html> 2014/10/15 Accessed.



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