ちょっと前の話になってしまうのですが、先月ベルギー大使館で開催された「ダイアン・クライス+櫻内邦子展」に行きました。
アンティークレースの蒐集家であるダイアン・クライスさんと金工作家である櫻内邦子さんによるコラボレーションで、繊細なアンティークレースとシルバーの造形がとても美しい展示会でした。
ベルギー大使館での展示は先月終了していますが、現在表参道のGalerie412で展示会が開催されています。http://www.galerie412.com/event/pg149.html
私がレースにはじめて興味を持ったのは99年にベルギーのブリュージュを訪れたとき。レースを扱う店がたくさんあり、軒先で女性たちが手早くボビンレースを編んでいました。数多くのボビンをすごいスピードで動かしていて、中には小学生くらいの女の子が遊びのような感じでレースを編んでいる姿もあり、びっくりしたのを覚えています。
ブリュッセルにもレース屋さんがたくさんあり、当時学生だった私は500円玉くらいの小さなレースを買うのが精一杯でしたが、お店の方がいろいろなレースを見せてくださりその美しさに魅了されたものです。
刺しゅうをはじめてからは、刺しゅうとレースは切っても切り離せない関係だと感じ、ますますレースに関心が深まりました。
ドロンワークやカットワークなどの刺しゅうはレース(ニードルポイントレース)の一種でもあるからです。
レースは大きくボビンレースとニードルポイントレースに分類されます。
組紐技法を基にしたボビンレースと、刺しゅうの技法が基となったニードルポイントレースです。
レースというとヨーロッパのものという印象が強いのですが、奈良時代に唐からもたらされた世界最古のニードルポイントレースの一種と考えられているレースが唐招提寺にあるそうです。意外ですよね!
(「fashionjp.net」より)
レースについて、何かいい資料がないか探したところ面白いサイトがありました。
さて、フランスの蚤の市やブロカントで買い集めたレースの一部をご紹介いたします。
購入時にお店の方に年代や作られた場所を確認していますが、正確かどうかは正直??です。
蒐集目的というより、飾ったり実際に使用したりするのを目的としているので、柄が好みで状態の良いものを買うことにしています。
付け襟(19世紀後半・フランス)
糸も布も脆くなっているはずなので、洗濯するか迷ったのですが、手洗いで洗いました。
落ちないシミもあるのですが、そのへんは味ということで。
フレームに入れて飾ろうかとも思ったのですが、敷物として使っています。
テーブルセンター(1920年代・フランス)
こちらは作品の撮影によく使っているので、このブログに載せている写真にも写っているかも。
はぎれ(年代不明・フランス)
刺しゅう(レース)を施してあるはぎれ。もともと何かの一部だったのか、それとも何かを作るために刺しゅうして、未完成のままなのか・・・。謎ですが、ポシェットか何かに仕立てようと思います。
こういった古いレースは蚤の市でそれほど高くない値段で購入することができます。
必ずしも気に入ったものと出会えるとはかぎらないので、そのへんは運次第。
枕カバーの縁飾りだけとか、服の袖のレースだけを切り離したものなど、本体から切り離されたレースも売られているのをよく目にします。
それだけレースが貴重ということなのでしょう。
奥深いアンティークレースの世界。
その細かさを見ていると、途方もない作業に若干くらくらしてきますが、どんな人が作ったのかな〜と想像してみるのも楽しみのひとつです。
時を経て、人から人へと渡り、そのレースが東京へ辿り着いたなんて作者は想像もしていなかったことでしょう。大切に使っていこうと思います。
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