世田谷美術館で開催中の「ファション史の愉しみ」展。
素敵なポスターですよね。
ファッションプレートがメインの展示ですが、実物の衣装も展示されています。
今私たちが目にしているような写真がいっぱいのファッション雑誌も、写真が一般的になる以前は絵画(多くが版画)でした。
当時のファッションを伝える貴重な資料であるとともに、ファッションプレート自体が美しくて魅力的です。
この可憐な乙女の世界に思いっきり浸ろうと、先日行ってまいりました。
わくわくしながら展示室に入ると、なんと!いきなりブティがありました。
正確にはピキュール・ドゥ・マルセイユです。
展示室に入ってすぐの一番目に展示されているブルーのドレスの胸当て部分。
とっても小さい胸当て(piece d'estomac ピエス・デストマ)一枚だけなのですが、
「ブティ」とか「ピキュール・ドゥ・マルセイユ」とかどこにも書いてないですが、
見に行かれる方はぜひご覧になってください。
小さいし、あまり近づいて見られないし、照明暗めだし、でもなんとか首を伸ばして(実際は伸びてないけど・・・)観察してみました。
1730-1735年頃のもので、ヴェルミキュレにドロンワークなどの刺繍も組み合わされた繊細な作品です。
ブティがまだ「ブティ」という名前ではなかった時代のものです。
そのころに作られていたものは「ピキュール・ドゥ・マルセイユ」と呼ばれるもので、マルセイユの工房でプロのお針子がヨーロッパの王侯貴族のために作っていた贅沢な工芸品でした。フランス王室でも使用されていました。
ちなみにカルヴィソンのメゾン・デュ・ブティにはマリー・アントワネットが使っていたであろうと言われているピキュール・ドゥ・マルセイユが保管されています。
「ファション史の愉しみ」展。
期せずして、ブティの胸当て(piece d'estomac ピエス・デストマ)があったことを差し引いても、素晴らしい展示内容でした!
たくさんのファッションプレートは年代順に展示され、その時代に流行ったファッションがヴィジュアルで理解できます。
とても素敵な展示なので、砧公園の桜を見るついでにでも、お出かけなさってはいかがでしょうか。
4月10日までです。
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