なので、今日はそれについてのおはなし。
トラプントはイタリアのキルトの技法で、トップ+キルト芯+裏布の3枚を重ねてキルティングを施し、部分的に綿や毛糸などコードを詰めるというものです。裏布を切って綿を詰め再び裏布を縫い合わせることもあるようです。
トラプントもブティもルーツは同じ、14世紀にシチリアで作られたトリスタンキルトだと言われています。
南フランスのマルセイユはブティのアトリエが多くあった場所の一つですが、その昔、東方貿易で栄えた港町ということはみなさんご存知だと思います。
マルセイユではシチリアから来たお針子を雇っていたそうです。
トラプントとブティ、ルーツも同じで作り方など似ているところもたくさんあるのですが、一番の違いはブティではキルト芯は使わないということです。
ブティの出来上がりがふっくらとしている点はキルトにとても似ていますが、手法としてはどちらかというと刺しゅうです。
(キルティングを表すフランス語としては「Matelassageマトラサージュ」があります。)
ブティの方法
ブティはまず2枚の薄い布を重ねてステッチ(ランニングステッチやバックステッチなど)を施します。
ステッチが終わったら、裏からコットンヤーンを2枚の布の間に詰めていきます。(先が尖っていない針を使って引き入れていく)
こうすることによって、コットンヤーンが詰まっている部分と詰まっていない部分ができ、ドラマチックな陰翳ができます。
それが「布の彫刻」と呼ばれる所以です。
コットンバチストを2枚重ねてステッチしているところ
ステッチが終わったらコットンヤーンを詰める
詰め終わったところ
写真を見ていただくと、コットンヤーンを詰めた部分は白く、詰まっていない部分はグレーに見えませんか?太陽の光にをあてると、今度はコットンヤーンを詰めたところは暗く、詰まっていないところは光が透けて明るく見えます。
(写真を撮り忘れたので別の作品でごめんなさい!)
ブティは基本的に表布・裏布・詰め糸、全て白です。
しかし、詰め糸によってモチーフが立体的になると、そこにあたる光によって、白から黒に至る間のあらゆるグレーがブティに表情をつけるのです。
6月30日のレッスンはあと2席となりました。
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